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もろこし

(秋田)

庶民→お殿様

落ち込んだ時に、これを食べると元気になれる。そんな特別な食べ物はありますか。

戦国から江戸の時代に生きた武将・佐竹公に、いま聞くことができるのなら、おそらく秋田の銘菓もろこしと答えると思います。それは、人生最大の転落期に「もろもろの菓子を越えて風味よし」と発し、躍進を続けたから。

その転落とは、関ヶ原の戦いの敗北により、常陸国(茨城)から久保田(秋田)への国替えを徳川家康に命じられたこと。

それも、最盛期は54万石以上を領し、大名約400人中、全国8位の領主にまで上りつめていた武将だったのだから、さぞかし悲壮感が漂っていたのでしょう。そんな彼を慰めるため地元の人が献上したのが、このお菓子だったそう。

その後、地元の人の優しさに応えるよう本領を発揮していきます。

久保田城の新築、幕府命令による全国一貫の道路造り、家臣団の刷新(さっしん)や、久保田の町作り、農鉱一帯の国作りなど、秋田の基礎を築いたのです。

彼を失意のどん底から這い上がらせたもろこしは、お祝い用やお土産用など工夫を凝らしたユニークな形になって、いまもさまざまな人を笑顔にしています。


もろこし(秋田)

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