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地域のコネタ

広島 × 動物

瀬戸内海の島々を結ぶしまなみ海道を少し西に逸れた場所に浮かぶ0.7㎡の小さな島”大久野島”。

広島県竹原市から船で約15分のこの島は、別名”うさぎ島”。小さい島内に、700羽以上にも及ぶ野生のうさぎが生息し、許可車両以外の自動車の通行が禁止されるほど、うさぎの密度が高い島です。増加理由は、1971年に島外の小学校で飼いきれなかったうさぎが8羽放たれたからといわれています。

野生のうさぎが暮らす小さな島なので、とても平和な印象を受けますが、それとは裏腹な歴史があります。1902年にはロシア艦隊を迎え撃つための砲台が設置されます。その後、砲台は使われることはなかったのですが、要塞跡を利用して1929年から終戦直前までは国際的に禁じられていた毒ガスを、日本軍がつくっていました。そのため、関わっていた人はこの島での事実を人に話すことは許されず、島自体は地図から消されていました。当時、この島に暮らしていた人や、国家総動員法の徴用令状(青紙)で連れてこられた徴用者(16~17歳)は長年健康被害に悩んでいます。

現在は、温泉や食事、宿泊ができる”休暇村大久野島”とともに、大久野島毒ガス資料館、砲台跡があるので、うさぎに癒されながら平和について考えてみてはいかがでしょうか。

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