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地域のコネタ

長崎県五島列島

長崎県にある教会は、日本最多の130あまり。うち約50が五島列島で、そのほとんどが集落から外れた山の麓や海を眺める高台、緑が生い茂る海辺などにひっそりと存在しています。本日は、そのひとつ頭ヶ島天主堂について紹介します。
頭ヶ島は、その昔1軒をのぞいて島民すべてがキリシタンでした。信者たちが対岸の島から石を切り出し、船で運び、約7年の歳月をかけて教会を作ったといわれています。建築を担当したのは、五島出身で多くの教会を設計した鉄川与助。書籍や映画でも伝えられている信仰の深さは、現地で厳しい自然のなかにひっそりとある姿を見ると、さらに感じられると思います。美しい五島の教会に、ぜひ足を運んでみてください。

▼五島に、潜伏キリシタンが多い理由とは?
実は、潜伏キリシタンがいる前から五島にはキリシタンが数多くいました。それは、五島を支配した宇久純定がキリスト教を布教したため。ですが、幕府が発布した禁教令ですべて途絶えてしまいます。その後、五島藩が開墾のために大村藩に移住を依頼したことをきっかけに、外海から潜伏キリシタンが海を渡り、五島各地に潜伏キリシタン集落が生まれました。