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地域のコネタ

長崎県 五島列島

本日は、五島列島のかんころ餅についてご紹介。

かんころ(甘古呂)とは、長崎県にある五島列島の方言で、薄切りにしたさつまいもをゆで、天日干しにしたもののこと。それを、餅・砂糖・水あめなどと混ぜて、つき合わせたものが、かんころ餅です。
さつまいもは、江戸時代から栽培の記録が残っているほど歴史がふるく、それを干したかんころは、島民の冬に備えた保存食として昔から親しまれてきました。
それが餅となったのは、まだ餅米が貴重だった昭和初期のお正月。かさを増すために餅に混ぜたことがきっかけです。
いまでも、寒風が吹き始めるころに、秋に収穫したさつまいもを竹製の網に並べて天日干しする姿がよく見られます。また、熊本の天草にも同様の郷土食があり、こちらは”こっば餅”と呼ばれています。
保存や増量のために作られた郷土食ですが、いまでは、そのおいしさやヘルシーさから、県内外の人に愛されています。