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地域のコネタ

東京 × 動物

本日から年末まで、各地の注目を集める動物(生き物)をご紹介します。
第1回目は、2016年5月、国内最高齢の69歳で生涯を閉じたゾウの”はな子”。

1949年、タイの実業家が「戦争で傷ついた子どもたちの心をいやそう」という想いから、私財を投じて日本に贈っています。当初は上野動物園で飼育され、1954年からに井の頭自然文化園に。はな子という名前が、戦中に上野動物園で猛獣処分されたゾウの花子(ワンディー)に由来していることもあり、平和の使者として多くの人に愛されました。長生きだったため、親子3代でファンだったという人も。亡くなってからは、井の頭自然文化園のゾウ舎前の献花台には花束が4590、メッセージは7950寄せられたり(2016.6.9時点)、武蔵野商工会議所などが呼びかけた募金でJR吉祥寺駅前に銅像が設置されました。

様々な動きがありますが、特に印象的なものは記録集「はな子のいる風景」。企画は、昭和30~50年代に普及した家庭用動画記録メディアを用いた、アーカイブ・プロジェクトを行うAHA!。一般家庭に散在するはな子との記念撮影写真の収集とアンケート調査を実施。そして、飼育員が記録した日誌と、はな子に関する様々な記録をつなぎあわせて、はな子とその周辺の歩みについてまとめています。
写真は、550枚集まった写真から169枚を選定。その提供者に「あなたがこれまでに失った大切なものを一つ選んで、その経験を教えてください」というアンケートを行っています。そのため、一頭のゾウを通して戦後約70年分の日本人の営みまで垣間見ることができます。本の構成も、時間の流れを感じさせるユニークなもの。ご興味のある方はぜひお手にとってみてください。

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