地域のコネタ
本日ご紹介するのは、日本では有明海と八代海にしか生息しない”ムツゴロウ”。干潟の泥の中に掘った穴で生活し、巣穴のまわり約1mほどの範囲で暮らしています。食事は、泥の上に生えている珪藻(けいそう)。有明海には、他にも干潟に適応した魚がおり、76%が皮膚呼吸のトビハゼという長時間を陸上で過ごすことができる生き物も。
そもそも干拓とは、水深の浅い海を堤防で仕切って、陸地をつくること。埋立は、山を崩して海を埋めるというもの。干拓は、推古天皇の時代から行われていたともいわれており、日本初は佐賀県とも。農耕・工業立地・都市開発などを目的に日本各地で行われており、江戸時代には米の生産拡大のために、佐賀藩では500箇所、約6300町の水田がつくられました。そのほとんどが藩ではなく農民の手で進められ、それぞれに小規模のものだったといいます。ただ、塩分が強いためすぐに稲作はできず、2〜5年間は塩に強い綿花づくりから。その後2〜3年は、西瓜をつくったともいわれています。土地の塩分が多いため、甘味の強い西瓜ができ、人気を博したという記録も。
平成元年からは有明海の一部である諫早湾(長崎県)の国営干拓事業が開始。平成9年に諫早湾奥部を封鎖した映像は、テレビで何度も放送されとても印象的だったかと思います。有明海全体で干拓によって陸地となったのは、昭和60年代で260㎢以上ありましたが、諫早湾干拓を経てさらに約9㎢増えています。