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おいり

(香川)

お百姓さん→お殿様

他県の男女が結婚すると、引き出物は2 人のお国自慢になることも。

香川県の西讃岐地方には「おいり」と呼ばれる伝統的な嫁入り道具があります。

「おいり」とは、嫁“入り”と火で“煎る”をかけた丸くカラフルなあられのこと。丸い形には「心を丸く持って、まめまめしく働きます」という意味があり母親たちは家を出る娘に持たせます。これを新しい土地になじむため、近所に配るそう。言ってみれば、母親から娘へ最後のプレゼント。それが、こんなにささやかであたたかいものだなんて母娘の関係の深さを、感じられずにはいられません。

そもそも「おいり」の始まりは1587(天正15)年頃、丸亀城主・生駒親正公に姫君がお輿入れの時。領下の郡家郷(現在の丸亀市郡家町)に住むお百姓さんが、5 色の餅花で作ったあられを献上したことに殿様が非常に喜んだのが始まりなんだとか。400 年以上受け継がれるきっかけになった殿様の喜ぶ姿を見てみたいものです。

約1 週間もかけて作られる「おいり」は、特有のふわっとした食感でほのかな甘さがあります。


おいり(香川)

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