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ビタミンカステーラ

(北海道)

製菓店→戦後の子ども

戦争をするといつだって、あらゆるものが不足する世の中に。
そして、いつも犠牲になるのは、意見が言えない子どもたち。

第一次世界大戦(1914~1918年)直後、まちには栄養失調の子供たちがあふれていました。それを不安に思った高橋製菓のご主人が作ったおかしが、ビタミンカステーラです。大正10(1921)年のことでした。

長崎で修業を積んだご主人ですが、あの重量感のあるカステラとは違い、ふんわり軽く、やさしい甘さに仕上げています。特に力を入れたのは、水分を減らして長持ちするようにしたこと。そして、ビタミンB1・B2を入れて現在の栄養補助食品のようにしたことでしょう。栄養豊富で長持ち。さらに安くて、味もいい。そのおいしさは、昭和36(1961)年に「全国菓子博覧会」で総裁賞に輝いたほど。

おいしくて栄養もとれることから、昔は農家の日雇い労働者のおやつとしても重宝されていて、田植えや稲刈りの時期は、工場はフル稼働だったそう。焼き上がるのをトラックで待って、買っていく人も多く、他の季節よりも倉庫を1つ増やしていたといわれてます。

ビタミンカステーラは、大正時代からずっと、北海道を優しく支えてきたのです。


ビタミンカステーラ(北海道) 高橋製菓

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